2022/07/17 22:52
印刷の世界では、
同じ黒でもインクの選び方や使い方によって、
発色や印象の異なる黒が生まれます。
今回は、印刷における3種類の黒について説明いたします。
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まずプリンターを用いて紙に印刷する際の色が4種類あります。
Cyan=シアン
Magenta=マゼンタ
Yellow=イエロー
Key plate=キープレート(≒黒、墨)
頭文字をとって「CMYK」と言われています。
これらの色を混ぜ合わせて多種多様な色を表現しますが、インクカラーの特性上混ぜれば混ぜるほど暗い色へと変化します。
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黒を表現する方法1「スミベタ」
文字や繊細な線に向いています。
そのうち「K=黒」のインク1色だけで表現される黒を「スミベタ」と呼びます。
文字や細かい線を印刷するときに適していますが、広範囲の塗りつぶしにはあまり適していません。
印刷会社によっては、
広い面をスミベタで塗りつぶしたデータには「オーバープリント」という処理が自動的に行われ、
黒い面の下にある色や絵などが透けて表現されてしまう場合があります。
また、スミベタで広い範囲を塗りつぶすように印刷すると、ピンホール状の色抜けができることもあります。
CMYの別の色を1%でも入れると、こういった現象を抑えることが出来ます。C(シアン)を入れることが多いです。
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黒を表現する方法2「リッチブラック」
CMYKすべてのインクを絶妙に配合することで、深い黒を表現できるのが「リッチブラック」です。
印刷でリッチブラックを用いる場合、
CMYKの比率は一般的に「C:40% M:40% Y:40% K:100%」が推奨されます。
深い黒を表現できるというメリットがあるものの、すべてのインクを掛け合わせるため、印刷時に境界線のブレが出てしまうというデメリットもあります。
細い線や文字などをリッチブラックで印刷した場合によく見られます。注意しながら使用する必要があります。
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黒を表現する方法3「4色ベタ」
最も濃い黒が表現できます。
CMYKの4色をすべて100%用いて作られる黒です。
比率で表しても
「C:100% M:100% Y:100% K:100%」となり、
「リッチブラック」よりもさらに深く濃い黒に仕上がります。
ただし、インクを大量に使用するため、印刷した用紙同士がくっついたり、乾きが遅くなったりするデメリットがあります。また、黒が濃すぎて用紙の裏面に映って見えてしまうことも少なくないため、基本的に、印刷会社ではあまり推奨されていません。
もしも4色ベタで指定されたデータが原稿として印刷会社に持ち込まれた場合、トラブルを防ぐため、印刷時に自動で濃度調整が行われる場合があります。仕上がりのイメージが異なる場合があるので、注意して使用する必要があります。
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当店では
3種類の黒のメリットとデメリット、適した使いどころを抑えて
それぞれに合った「黒」を使用しています。